INSTINCT MACHINEGUN

ポケモン好きのサンガサポ。夫はセレッソサポのパンダ氏。ゆるすぎる観戦記やら旅行記やら。

劇団四季『ジーザス・クライスト=スーパースター』観劇記 その2

オペラ座のチケット予約したぜ!!
ということで、オペラ座観に行くまでに、早くこっちを書き終わらないと・・・!!


えっと、昨日は裏切る手前あたりまで書いたので、今日は『最後の晩餐(The Last Supper)』あたりから書こうかしら。
私はこれを書くにあたって、歌詞をあやふやにしか覚えていないので、パンフレットに載ってる歌詞と、初演の時のレコード(母上が持ってた)についていた歌詞を参照して、自分の記憶違いがないかどうか確認しています。
でも、この『最後の晩餐』の歌詞は、レコード(初演)版の歌詞と、現在の(パンフの)歌詞がかなり違う。
大意は一緒だけど、ニュアンスとかが全く。
ここまで大幅に変更されてる部分って他にはないんじゃないかな。それだけデリケートな場面なんだと思う。


個人的に、一番大きな違いは、「裏切る」っていう言葉が使われなくなったことだと思う。
これは普通に観劇してても「あれっ」って気づく人がいると思うんだけど、JCSではユダの行為に対して「裏切る」って言葉は全く使われていない。
初演版では「裏切る」だった部分は、今ではすべて「見捨てる」に変更されている。
私は中の人じゃないから、この変更の真意はわからないし、これから書くことは完全に推測なんだけれど、
おそらくこれは、最近の聖書学を反映させた上での変更だと思う。
というのも最近、『一般的に「裏切る」と訳されているギリシア語動詞「パラディノーミ」は、元来は「引き渡す」という程度の意味しかない』という説が、ユダを研究している人たちの間で提示されている。
(昨日書いた荒井献さんの『ユダとは誰か』という著作にもこの説は登場する。)
だからあえて「裏切る」という単語は使わずに、「見捨てる」に変更したんじゃないかなぁ。


他にも、ジーザスとユダの口論もかなり変更されていて、
「それが誰か知ってるくせに」以降の部分が、初演だと

初演版
ユダ「これには訳が」
ジーザス「聞きたくはない」
ユダ「讃めたとは こんな人を」
ジーザス「嘘つきめ このユダ」

なのに対して、現在では

現在(2011年アンコール公演)
ユダ「これには訳が」
ジーザス「言わなくていい」
ユダ「崇めたとは こんな人を」
ジーザス「嘘をつくな」

となっていて、もう、ジーザスの台詞の印象が全く違う。


私はいつもこの場面で完全にユダに肩入れしていたんだけど、今回は違って、初めてジーザスの方に肩入れしてしまった。
というか、両者の気持ちがすごくわかって、どっちにも感情移入してしまったというか。
このやりとりの最後、ジーザスがユダを真っ直ぐ見据えて
「行こうと思うところに行くがいい さあ さあ!!」
みたいなことを言うんだけど(※ここだけはうろ覚え)、もう、その場面で気づけば号泣していた。
いちいち泣いたとか報告いらんと思うけど(笑)、でも両者に感情移入してたせいで今までの2倍泣けてきて、もう気を抜いたら声をあげて泣いちゃうんじゃないかと思ったくらい。


このままじゃ自分が死ぬってわかってるのに、ユダのやったことと、やろうとしてることを全部赦して、「行くがいい」と優しく言ってあげるジーザスの気持ちも、
裏切ることでしかジーザスへの愛情を示せない不器用なユダの気持ちも、すごく心に突き刺さった。
でも今回はどちらかというとジーザスかな。
だってすごい覚悟と愛情じゃん。ずっと自分についてきた弟子に、今裏切られて、殺されようとしているのに。
うわあああ。これがアガペーなのか。
なんていうか、そのジーザスの姿に感動したというか。自分にはこんなこと出来ない。したいけど出来ないから。私どちらかというとユダタイプだし。


でも、ジーザスはユダにものすごいアガペーを示すんだけど、まだ迷ってるんだよね。
ユダには「行きなさい」って言って送り出したくせに、その直後の『ゲッセマネ(Gethsemane)』では、「どうして私は死ぬのか」ってものすごい葛藤を見せる。
うわあ。ユダには平然と裏切れって言ってたのに。うわあ。本心は葛藤してるのか。


そして、ユダが兵士を連れてやってきて、裏切りの合図の口づけをした後、ジーザスは一言こう言う。
「ユダ、見捨てるのか、お前は・・・。」


わあああああああああ!!!(:ω;`)
もうジーザスの心境考えたら、また涙が止まらなくなった。
覚悟してすべて赦すわけでもなく。かといって、思いとどまるよう懇願するでもない。
その間の、揺れ動く気持ちから発せられた「問い」なんだよね。これは。
わあああもう。今思い出しても切なくなってくる。


また今日も長くなったので、続きは明日にしよう。
明日こそは書き上げる絶対にだ!!