INSTINCT MACHINEGUN

ポケモン好きのサンガサポ。夫はセレッソサポのパンダ氏。ゆるすぎる観戦記やら旅行記やら。

劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレムver)」京都公演 2024年4月29日

ブログに書くのが遅くなったけど、初日から約1週間、2回目&my楽の観劇に行ってきました。
JCS、ひとつの公演期間に2回観に行くの実は初めてだったりする。

初日に感想書いたからもう書くこともないかなと思っていたのに、やっぱり見終わるとめちゃくちゃ書きたいこと出てきてまた筆をとってるのであった。

以下は本日のキャスト。前日まで劉ヘロデだったけど、急遽北澤ヘロデになってた。
北澤ヘロデ、この日だけのピンチヒッターだったようなのに結局その後も続投してて、劉さんになにかあったのか心配である。

初日は最前列(下手側)だったけど、今回は前からだいたい10列目くらいの上手側。スーパースターが見やすいよ!やったね!!
お客さんにムスリムの女性がいるのを見かけて、スーパースターでムハンマドマホメット)が揶揄される歌詞があるけど大丈夫かな・・・と思ったりしていた。あと小学校低学年くらいの子も来てたけど、内容理解できたのだろうか。

開演して「え!?照明こんなに美しかったっけ!?」と驚くと同時に、最前列の端っこだと照明での演出って実はすごく見づらかったのか・・・!と気づく。照明の美しさってJCSの見どころだと思うし、砂と岩しかない舞台上にいろいろな変化をもたらす重要な役割を担ってると思うんだけど(そしてそこが好きなんだけど)、あまりに前すぎると楽しめない要素ってあるんだな・・・と思った。

そんで照明のこともあるけど2回目で落ち着いて見れたからか、座席的に全体を見やすかったからかわからんけど、初日以上に感動してる自分がいた・・・観劇後しばらく放心状態になってしまった・・・。もうしばらく見れないと思うと泣けてくるレベルだったわ

 

前回の感想でけっこういろいろ書いたから印象的だったことだけ書くけど、いや大森シモン改めて見るとめっちゃ良いな!?いつもユダメインで見てるけど今回大森シモンめっちゃ見てしまった(そんくらい目を引いた)。前回も冒頭で曲に合わせてゆらゆらする動きがうまいし、体格よくてシモン向きだなーと思ってたけど、めっちゃ感情がほとばしる熱いシモンだ・・・と思った。というか演技力が高い、と思う。
自分は本城シモンめっちゃ好きだったんだけど、まさか自分の中で本城シモンを超えるシモンが出てくるとは思わんかった……。大森シモン、めちゃくちゃ熱いんだけど、単に血の気が多い性格ってわけではなく、物事を冷静に見るべきときはそうしてるしめちゃくちゃ人間臭い。香油の場面でも、ちゃんとユダとマリア両方の言い分を聞いてるそぶりしてるんよ……。そんでそれぞれの語りに対して「そうなのかも…」みたいな表情してるんよ……(しかもどちらかを肯定したり理解してる感じではない絶妙な塩梅で!)このシモン、ちゃんと人の話聞いてるやんってびっくりした。でもその次にジーザスが口を開いた瞬間、急に身を乗り出して一言も聞き逃さないように熱心に話を聞き始めて、このギャップも最高である。

そんで大森シモン、ジーザスの予言の場面で他の使徒から指差して疑われた時、キレたりするんじゃなくて「俺??俺!??」ってずっと言ってたし、ペテロがジーザスから裏切ることを名指しで予言されて使徒たちが喧嘩になりそうなときに、意外にもペテロを止めに入ってるんだよなぁ……。シモンがただの血の気の多い人物じゃなくて、ちゃんと周りの様子を冷静に見てるシモンなんだよね。他の弟子たちの背中をポンポンして励ましたりして、けっこうリーダーっぽいふるまいも多い。

これはいい面でもあり悪い面でもあると思うんだけど、大森シモンの演技、私個人としては好きなんだけど、一方でちょっと目立ちすぎるというか、使徒のリーダー格みたいなふるまいが多くて、こんなにしっかりと使徒たちのまとめ役してるのになんでペテロやヨハネみたいに後世に名を残さなかったん??って謎が残る感じになってしまってるんだよなぁ・・・。ちょっとメタ的な話だけどさあ・・・。シモンが一般的には「無名」な使徒であるという事実とずれてしまってるっていうか。こういうまとめ役ってむしろペテロの役者さんがした方が違和感ないのでは・・・?と思ったりもした(まとめ役が裏切る衝撃も生まれるだろうし。)

シモン、ジーザスとユダが決別した瞬間に誰よりもつらそうな表情見せててそれもすごくよかったんだけど、でもこのシーンの肝って「ジーザスとユダ以外は目の前で何が起こってるのかいまいちよく理解してない」ことだと思うので、こんなすべてを悟ったようにつらそうなリアクションしてていいんか・・・?と思う部分もある。あやうい。大森シモン、熱いのはいいけどもあやういんだよなぁ。一歩間違えると物語全体のバランスを崩しかねない気がする。あくまでジーザスとユダがメインの物語なのでね・・・。

とここまで書いて気づいたけど、もしかしてユダとシモンって対になる存在なのかもしれない。「狂信者シモン」の最後、ジーザスがどうも自分が望むような戦いを起こす気はないらしい、とシモンは気づかされるわけだけど(そしてそう悟ったときのすがるような素振りからの崩れ落ち方が大森シモンはめっちゃうまかった・・・)、それでもシモンはユダとは違って、ジーザスを裏切る道には進まなかったわけだもんなぁ。

「狂信者シモン」でも動きがものすごく力強さにあふれててめっちゃいいシモンやな・・・と思うんだけど、「とこしえの栄光と力を得たのです」の部分が自分はいまいち盛り上がりにかけるような印象を持ってて、初日を見たときからなぜだろうと考えてたんだけど、大森シモン、もしかして「ちから」の発音苦手じゃない・・・?初日も思ったんだけど、なんか「ちから」の部分だけ滑舌が悪いんだよね・・・。そのせいで本来はとがってるべき「ちから」が柔らかい発音になってしまってて、それが力強さと盛り上がりを半減させてしまってる気がする・・・。「ちから」が音程一番上がる部分だけに余計になぁ。ほんとここだけ改善されたらあとは文句ない感じなので頑張ってほしい・・・!

最後のジーザスの磔のシーン、いつもは「この素晴らしい作品が終わってしまう……」という虚無の気持ちで眺めてるんだけど、今回はシモンをずっと見てたので、最後に出てきたシモンがペテロにすがりつきながら崩れ落ちる姿に泣けた……。いやまじで最後まで熱いなこのシモン・・・

 

シモンも見つつやっぱりユダも見てたんだけど、佐久間ユダ、「What's the Buzz」の終盤で信者たちがジーザスに詰め寄るときは輪に入らないのに、最後にジーザスが「誰一人わかってはいない!」って言った後に急に怒りの表情になってわなわな震えて反論しようとするんだけど、何か言おうと振り返った瞬間にマリアが歌い始めてさ・・・。そのまま何も言えなくなってさ・・・。えっこれつらすぎん??序盤なのにもう泣きそうになったわ・・・。

そういや「誰がこの人を誰が誹れる」のシーン、以前のジーザスはユダの方を見て歌ってたと思うのに、この日のジーザスずっと前方を見ながら歌ってて、歌い終わった後にユダの方をキッと見てておおっと思った・・・。この場面、ジーザスがユダの方を全然見ないからふたりのすれ違いを表現してるって感想も目にするけど、個人的には全体に呼びかける「罪のない者がいれば」のくだりとかもあるし、ジーザスにとってはユダだけじゃなくて信者たち全体に言いたいことであって、「信者たち全体」がユダのように「マリアを理解してない」っていう意思の表れなのでは?と思っている。

5年前に名古屋で見た佐久間ユダ、もっとゲスっていうか人間の弱さが前面に出てる、運命に振り回されてるユダって感じだったけど(銀貨つかんだ後に思わずニヤっとしてたりしてた)、解釈を変えたのか以前よりゲスさが減って、自分の意思で動いてるユダって感じになった気がする。

佐久間ユダ、カテコでジーザスがひとりで出てくるときに間違って自分も出てきてめっちゃ気まずそうに笑ってたの本当にほほえましかった。

 

あとゲッセマネジーザスもめっちゃ熱かった。初日はもしかして演技抑えめにしてたんかな!?ジーザスだけでなく全体的に演技の熱さ増してた気がする。

 

そういや佐野さんが司祭1なのいまだに謎なんだけど、もしかして司祭1ってカヤパ様の控えキャストだったりする?だから佐野さんレベルの役者さんが司祭1なんかな・・・と思ったりした。その昔、ジーザスやってた芝さんが喉の不調?で緊急降板したとき(ちなみに降板前日の公演を見てた)当時ペテロ役だった神永さんがジーザスデビューしてて、当時からジーザスの控えキャストってペテロなんかなと思ってたけど、カヤパ様と司祭1も十分にありそうだよね?
佐野司祭、今回もユダが裏切るときとかにめっちゃ悪い顔してたw

 

あとさ、ヘロデの話なんだけど、間奏の「ワカドゥーワカドゥー」みたいなやつ(永遠に正しい歌詞がわからない)、初日の劉ヘロデは自分も歌ってたんだけど、北澤ヘロデは歌ってなかった!!(北澤ヘロデも若干小声で歌ってた気もするけど、劉ヘロデは自分がメインで歌ってたけど、北澤ヘロデのときは明らかにヘロデガールズがメインだった。)えっどういうこと!?まさかここって劉ヘロデのアドリブなん…?(そういや5年前の阿久澤ヘロデも歌ってなかった。)
劉ヘロデはけっこうおふざけ要素強めのヘロデだったけど、阿久澤ヘロデはお笑い少な目で育ちのいい王様って感じのおとなしいだったな・・・。でも「Hey!どうした」からの怒りの表現はうまかったなー。卒倒しそうになるところの倒れ方とか。

 

いや本当全体的にいいものを見た。大森シモンもう一度見たいな・・・。過去に同じく演技がめちゃくちゃよくて「すごく目を引かれるペテロ」がいて、それが何を隠そう後にジーザスに抜擢される神永ペテロだったので、大森シモンそのうちユダに大抜擢とかされてもおかしくない気もする。

 

全国公演もいけるといいな!