- 2010年７月６日
日射しが強い。汗がじわじわ。シャツが背中に張りつくのを感じる。でもこの感覚、どこか懐かしい。あぁそうか、あれは夏の日のスタジアム。今日みたいなじっとり空気の中、キックオフを待ったっけ。途端にかき氷が恋しくなる。あの日と同じ、イチゴ味を買おう。
- 2010年７月７日
2年前までいた彼は、サッカーを辞めてしまったと聞いた。ドリブルが得意だったアイツは、いまや海外で修行中。敵になった選手もいれば、星になった人もいる。今はもういない、かつての仲間。彼らの記憶が紡ぎ合わされ、チームという名の糸は伸びゆく。
- 2010年７月８日
神様、お願いです。心の底からのお願いです。代償として、私に与えられた時間を差し出します。私の寿命が短くなっても構いません。決して後悔はしませんから、だから――このロスタイムを、もう少しだけ、延ばしてください。まだ笛は、吹かないで…。
- 2010年７月９日
新学期。クラス替え。張り出された名前を探す。期待と不安が入り交じり、心臓の鼓動が速くなる。自分の名前が見つかった。あっ…。ドキン、と波打つ。私の名簿、14番。大好きなあの選手の背番号と一緒だ。今年は良い一年になるかも。私は教室へ駆け出した。
