芥川龍之介の『侏儒の言葉/西方の人』(新潮文庫)を読みました。
- 作者: 芥川龍之介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1968/11/19
- メディア: 文庫
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『侏儒の言葉』は、芥川の格言集というか、「サッカーの素」みたいに、雑多な話題について短い文章で述べたものを集めた感じなんですが、
なんか一粒一粒がひねくれた輝きを発する、言葉の小箱のようだった。
いかに短い一言で、世界を端的・独特に切り取り、読者を唸らせるか。こういうの好きだ。
『西方の人』(続編含む)は芥川の書いた人間ジーザスの話。
晩年の作品だし、同じ自殺をした者としてユダをどう描くか気になっていたけど、かなりあっさりとした、凡庸な描き方だった。
やっぱり芥川は、イエスに自分を重ねていたのかな。
凡人のように罪を後悔して死ぬんじゃない、もっと高尚な何かのために死ぬのだ、と。
あまりに人間的なマリア(マグダラではなく母の方)と、あまりに神的なイエスの対比が悲しかった。