- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 文庫
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短編集なんだけど、教科書に載ってた『富嶽百景』とか読めてよかった。
『女生徒』がよかったなぁ。嶽本野ばらが書きそうな少女小説。
廃人のようなイメージが強い太宰が、こんなのを書いてるなんて・・・!!(((゜д゜;)))
この短編集買った一番の目的は、以前から何度も言っていた、
太宰治×ユダの奇跡のコラボ『駆込み訴え』。
ついに読めたよ(:ω;`)
これもまた新しいユダ表現だった。
なんていうか、まっすぐじゃない。メトロノームのように揺れまくるユダの心理。
武者小路実篤のユダは、一貫して(自称)善人だったんだけど、
このユダは揺れるゆれる。激情派だ。
愛憎入り乱れるというのだろうか。口調は卑しいけど、どこか清さを感じたりもする。
「ジーザスへの愛の強さ」は、もしかしたらこのユダが最高かもなぁ。
でも最後には、一般的に思われているようなキャラクターになってしまうユダ。
独白調でこれだけ揺れてるのに、スッと変貌、というかひとつの(ありふれた)姿にいつの間にか落ち着いている。
その最後の姿が、どこか落ち着くような、悲しいような。
そういや「キリスト教徒には書けない」って解説の方が書いてたけど、まさにそうだなぁ。
あ、アンテナから新しくいろんな方が来られてるようなので、いま一度宣言しておきますが、
姫苺は劇団四季の『ジーザス・クライスト・スーパースター』という劇を観て以来、ユダという存在に興味を持って色々調べているだけで(できたら学術的な研究もしたいのですが)
キリスト教徒でも反キリストでもユダ肯定者でもありませんし、そういう考えを広める意図もありません。
って改めて書いたらさらに胡散臭い気がしてきた(・ω・;)(;・ω・)