INSTINCT MACHINEGUN

ポケモン好きのサンガサポ。夫はセレッソサポのパンダ氏。ゆるすぎる観戦記やら旅行記やら。

益川塾第2回シンポジウム「科学と社会」

またブログ放置しまくっていた…。
ということであけましておめでとうございます。無事に修士論文も書き終えた姫苺です。
サンガ天皇杯決勝までいって夢見たいな正月でした。

で、1月7日に、京都産業大学で行なわれた益川塾シンポジウムに行ってきました。
雪の舞う中、初めて京産大まで行ったぜ・・・!
今回の目玉は、ノーベル賞を受賞したかの有名な益川敏英さんと、iPS細胞で有名な山中伸弥教授の夢の対談!
コーディネーターは歌人としても活躍されているらしい永田和宏さん。京大の教授だった頃は、山中教授の隣の部屋だったらしい(笑)


まず、第一部で京産大附属高校の生物部による、クマゼミについての発表がありました。
なんかね、いままで8年が通説だったクマゼミの生活史を6年って突き止めたりとか、その他にももういろいろ高校生とは思えない研究成果をバンバン発表してて、文系の私でも「この子らすげぇ」ってわかるくらいだったんだけど、
一番すごいなって思ったのが、この生物部がクマゼミの研究をスタートさせたのが1997年だということ。
ってことは、はじめにセミの研究始めた生徒はみんなとっくに卒業してるわけじゃん!
どうかしたらもう結婚して父親になってて、子どもに「父ちゃんはな、昔、高校生だった頃に、セミの研究をしててな・・・」とか話してるかもしれないじゃん!!
セミを育てるのですら6年かかるわけだし。すごいな。そんだけ研究をバトンのように渡していって、ここまで続けられたのがすごい。
これセミが嫌いな子が入部しちゃったらどうなるんだろうね・・・(笑)
あ、あとここで益川さんが「研究はテーマを選んだ段階で90%終わっている」って言ってたのが印象的だった。

第二部が益川さんと山中教授の対談。
これは全部書くと長くなるから、自分が面白いと思った部分や、印象に残った言葉を箇条書きにしていこうかと思う。

  • 益川さんと山中教授はすでに「大発見の思考法」という本で対談したことがある
  • なぜ今の研究の道に進んだかという質問に対して、益川さん「わたしは有名なように、英語はダメです」会場爆笑wwwww
  • そんで最終的に、父親は砂糖屋さんだけど「砂糖屋は仕入れたものをそれ以上の値段で売る。でもそれって詐欺じゃないか。砂糖屋は詐欺だから物理屋しかない」と思って物理の道に進んだらしい
  • わたし山中教授のことは今までほとんど知らなかったし、実物見たのも初めてだったけど(益川さんは2回目)こんなに面白い人とは知らなかった。益川さんは天然な面白さだけど、山中教授は普通に話が面白い
  • 山中教授は父親のススメで柔道をやっていて、今までに10回は骨折したらしいwwwあと学生時代はバンド組んでたとか。ぱねぇな
  • 元々は整形外科の臨床医だったけど、不器用すぎて手術ヘタすぎて、「他の人なら30分で終わる手術が2時間かかった」りするほどだったので、だんだん医者向いてないんじゃね?と思うと同時に、研究の道へ傾いたらしい
  • 益川さんいわく、自分は英語はだめだけど、英文読むことだけは(単語の意味をひろっていけば)なんとかできる。というのも学術論文は英語だから、英語読めないと話しにならない。でも書けないから(小林さんとか)他の人に書いてもらう(笑)
  • 山中教授が神戸大選んだ理由→「神戸に行ったら女性が綺麗なんじゃないかと思って」
  • どういう文脈でこの話になったか忘れたけど、コーディネーターの永田先生が「サイエンティストになれるかどうかは、他人の出してきたデータを面白がれるかどうか」と言っていたのが印象的だった
  • それを受けて山中教授。大学院生に戻って初めての実験で、ある薬を投与したら犬(実験台)の血圧が上がるはずだったのに、なぜか逆に下がった。でもそれで戸惑うよりもむしろテンションあがった。「これが臨床医だったら、失敗して喜んでたら大変なことになるんですけどね(笑)」。このテンションあがったときに、自分は研究者に向いてるなーと思った。逆に、結果が予想と違ってガッカリする人は研究者に向いてないかも。
  • 益川さんは「自分は理論屋なので、理論屋として大切なことを。自分の理論の欠点を見つけて、(その理論を)壊せる人。自分が面白いと思ったものの欠点を見つけて潰せる人。」
  • つづいて山中教授のお話。研究は失敗の方が多い。野球だとトップの人(打率3割)でも、10回のうち7回は打ててない。「10億もらってるんなら全部打てよって思うんですけど」(←って言ってたwww)研究はもっと失敗の方が多い。でもその95%の失敗が宝の山。
  • ここで、本題の「科学と社会」の話に。科学は社会にどのように貢献できるか。
  • 益川さんいわく、「科学は自由を獲得するベース」。というのも、科学によって、「これをこうするとこうなる」ということがわかり、それによって人間の選択肢が生まれるから。
  • 山中教授いわく、「科学は真理を隠しているベールをはがしていく作業」。最後の一枚をたまたま引き当てた人がえらいのではなく、一枚一枚の積み重ねが重要。先ほどのセミの研究でも、今発表した生徒達だけがすごいのではなく、何年にもわたってセミを育ててきた先輩達も同じようにすごい
  • 「新しい一枚をはがす作業である限り、無駄な実験はない」
  • ここで突然、永田さんが「コラーゲンは飲んでも全く意味がない」と暴露wwwww会場爆笑wwwww
  • 話は研究助成に税金が使われていることについて。というか皆さんの税金がないと研究できないらしい。
  • 益川さんいわく、実験装置の副産物みたいな装置や周辺技術が、社会にも広く応用されて使われている。つまり、やってる研究自体は一般社会の役に立たなくても、総合的に見ると確実に社会の発展に貢献している。だから、税金を使って(値段の)高い装置を使ってるけど、それが間違っているとは思わない。
  • 山中教授いわく、「科学技術を正しく一般社会に伝えるのは難しい。過度の期待も、過度の失望もさせてはいけない。」サイエンスコミュニケーターのような、科学技術を正しく社会に伝えるプロがちゃんと育つシステムを作る必要性がある。
  • 最後に家庭でのおふたりについて。山中教授はこの会場に来る前に、洗濯物干してきたらしいwwwwwいいお父さんすぎる
  • 益川さんは、何か家族に重大事項が起きた場合には、大学教授の職をなげうってでも解決するって決めてるらしい。一回、実際になげうちかかったらしいけど、その前に解決したらしい。よかった。
  • シンポジウムの締めに、これから科学者を目指す若い世代に向けて。
  • 益川さん「自分で憧れる対象を見つけてロマンを持ち、そこに向かって歩み始める」ことが大事。「一度ロマンを持ったら歩み始めないといけない。」
  • 山中教授は、先ほどの高校生の発表にふれて「常識をうたがってかかることと、生物部の先生が『継続は力なり』と言っていたように、続けることが大事。でも、反対に、他の分野に興味を持って、全然別のことをやってみるのも同じくらい大切」。


とまぁこんな感じだった。あとは益川さんがマイク持って話すの忘れてたり、話の筋を見失ったり、マイペースぶりがゆるぎなかった(笑)
タイプが正反対といってもいいくらい違うお二人だけど、とてもいいお話が聞けました。
理系の研究ってちょっといいなと思ってしまった!