INSTINCT MACHINEGUN

ポケモン好きのサンガサポ。夫はセレッソサポのパンダ氏。ゆるすぎる観戦記やら旅行記やら。

神と神との融合

昨日買った「井上雄彦ぴあ」を読みました。
もう素晴らしすぎる1冊!!バガボンドファンは1000円払って買う価値あるよ(・ω・´)


井上雄彦尾田栄一郎の対談がとりわけ素晴らしかった。
なんかね、バガボンドの魅力の秘密を知りたくて読んでるのに、知らないうちにワンピースの魅力はどういう部分なのかが見えてきた。
イノタケさんが指摘してるの読んで、初めて気づいたんだけど、そうだよ、ワンピースってめちゃくちゃ細かく書き込まれてるんだよ。
時々パンダマンが隠されてるのとかが象徴的だけど、いわゆるモブの1人1人が生き生きしてるし、情報量もすごく多い。
イノタケさんは「画面のあちこちで、いろんなものが同時に動いてる」と表現してるけど。
そうなんだよね。だからワンピースは、いわゆる「繋ぎ」の回でも面白い。本筋以外の部分や背景でも楽しめるから。
しかもワンピースは、ラストがすでに考えてあって、今まで一度もそれが変わってないとか。すごいよね。


あとイノタケさんの話でびっくりしたのが、「吉岡一門との討ち合いの場面は、数えたらちゃんと70人斬ってるはず」というもの。
マジで!?今度数えなきゃ(・ω・;)
そういやゾロもバロックワークス100人斬りしてなかった?あれは100人は描いてなかったと思うけど(笑)


でもね、イノタケさんと尾田っちって似てるなぁと思ったとこもある。
尾田っちはこの対談で自ら「漫画で一番やりたいのはキャラクターの造形」と言ってて、実際に見た目も性格も個性的なキャラをたくさん登場させてる。
もう本当、数コマしか出ないようなどうでもいい役割で、「こいつにここまで凝らなくてもいいんじゃないか」ってキャラにも凝りまくってるし。
一例だけど、ベラミー達が泊まってたホテルの支配人(ずっとフェイントしてるあの人)とか、フランキーが仲間になる時にモブの中にいた、双眼鏡のぞいてるお嬢様とか。
そこで思い出したのが、昨日読んだ「coyote」で、イノタケさんが「ただの斬られ役でも、人間として描きたい」と言っていたこと。
そりゃイノタケさんは、尾田っちみたいな奇抜なキャラ造形はしないけど、
でもどんなチョイ役でも、すべての登場人物をしっかり描いてるって点では共通してる。


尾田っちが描いた武蔵は必見!!
なんかすごい、一目で尾田イラストとわかるのに、違和感がない。
雲とかカモメとか、刀の描き方とか、完全に尾田テイストなのに、普通に武蔵なんだよね。
逆にイノタケさんにもワンピースのキャラ描いて欲しかったよー!!
ルフィとかをイノタケ絵にするのは無理かもしれんけど…シャンクスあたりならいけるんじゃなかろうか
というかイノタケ風シャンクス見てみたすぎる。


あぁこの雑誌を読んで、「最後のマンガ展」熊本版に行きたくてたまらなくなってきた。
昨日まではそんなこと思いもしなかったのに。
「最後のマンガ展」か、ジーザス大阪か、どちらか片方だけ選べって言われたら、前者を選んでしまうかもしれないくらい、強烈に行きたい。


たぶん、この雑誌が「最後のマンガ展」の展示内容にもちょっと触れていて、
その中にこういう記述があったのが原因だと思う。
「今回、展示された作品は、次第に言葉が削がれてゆく、静かな物語だ。」
言葉では伝わらないものを表現するために、自然と言葉をなくす方向になった、と。


その記述を見て、バガボンドの中で強烈な印象を受けた物語を思い出した。
黄平と小次郎の「蛙」の物語。
ほとんど台詞のない、けれどものすごく深い何かが伝わってきた1話。


あれと同じ世界が描かれている。
そう思った瞬間、強烈に見たくてたまらなくなってきた。


やはり熊本に行くしかないのか。
自分はひそかに、京都だって武蔵ゆかりの地だし、京都でも重版やってくれないかなぁと思ってたけど、
この雑誌を読んで、熊本は本当に特別な場所だから特別に選ばれたのであって、
熊本に比べると、京都なんぞには来る意味がないし、来ないだろうと感じた。
熊本は、イノタケさんが大学時代を過ごした特別な場所であるし、
何より、宮本武蔵が晩年を過ごした「最後の」場所だから。
もう熊本を逃したら、見れないんじゃないかって気がする。


どうしよう。真剣に熊本行こうかな。
一緒に熊本行ってくれるくらいのイノタケ信者の友達がいれば、迷わず行けるんだけど(笑)
でも一人ででも行きたい。
行かないと後悔する気がする。
おばあちゃん家経由してなんとか行けないものか…。